• 在宅ワークの原点といえば内職?「昔から今」まで内職について語ってみました!
公開:2022/04/22  更新:2022/04/15

在宅ワークの原点といえば内職?「昔から今」まで内職について語ってみました!

「在宅ワーク」というと現代的な印象を受ける人もいるかもしれませんね。ところが、在宅ワークの原点といえば内職があります。内職は、納期を守りさえすれば、自分の空き時間を使って稼げる点がメリットです。今回は、昔流行った内職やちょっと怪しい内職、未経験でもできる内職など、内職についていろいろ語っていきたいと思います。

内職はいつの時代も主婦の心強い収入源だった?!

内職は江戸時代から続く

内職の歴史は、江戸時代が始まりといわれています。では、江戸時代まで遡って内職の歴史を簡単に見ていきましょう。

重労働ができない女性の収入源だった江戸時代の内職

内職の起源とされているのは、農家のお嫁さんがときどき行っていた「みの」や「わらじ」を編む作業です。本来、お嫁さんも夫とともに農作業に出ることは多かったようですが、病気や出産の前後には農作業のような重労働はできません。そのようなとき、体調を気遣いながら簡単な作業を納屋で行っていたわけです。そして、できあがったものをお米などの食糧や生活用品に交換していたといいます。

江戸時代といえば、内職が多かったのは武士です。時代劇で、浪人風の男性やその家族が傘張りをしているシーンを見たことはないでしょうか。下級武士になると年収が低い人も多く、実際には生活が苦しいことも珍しくはありませんでした。しかし、転職をするわけにもいきませんよね。そこで、傘張りなどのような内職が武士に人気だったのです。実際には、原則として武士の内職は禁じられていたそうですが、下級武士は特例として許されていました。江戸時代から農家を中心に始められていた内職も、家内制手工業から工場での生産へと変化し、次第に少なくなっていきました。

昭和に入ると主婦の収入源として定番化

内職が再び盛んになってきたのは、昭和に入ってからです。特に、増えてきたのは昭和30年代以降で、高度成長期の仕事の増加に伴い、多くの主婦が内職をするようになりました。当時の主婦にとって、家事や育児を両立しやすい柔軟性のある働き方だったのでしょう。昭和の内職は、造花作りや商品の袋詰め、ボールペンの組み立て、おもちゃの組み立て、機械部品の検査など多岐にわたります。洋裁や和裁ができる人は、仕立てや修理なども内職として行うこともありました。当時の主婦にとって内職とは、収入を得る手段であると同時に退屈な時間を過ごすためのものでもあったようです。

経験者もいるかも?実は詐欺だと発覚したあの内職

詐欺かなと思ったら警察署へ相談

内職の中には、「実は詐欺だった」というケースもあります。せっかく在宅ワークで収入が得られると思ったのに、詐欺だったらショックですよね。では、実際に詐欺だとわかった過去の内職や詐欺を回避するためのポイント、万が一詐欺に遭ってしまったときの対策などを紹介していきます。

詐欺が多かった「宛名書き」の内職

内職を探している人の中には、「宛名書き」という仕事を目にしたことのある人もいるかもしれません。筆者は、宛名書きの内職に応募したことはありませんが、実は詐欺だったというケースが多数あがっています。では、単なる宛名書きが一体どのような詐欺だったのか見ていきましょう。被害に遭った主婦A子さんによれば、「資格が不要かつ未経験者でも1カ月5万円ほどの収入が可能」という言葉に引かれて応募したそうです。たしかに、宛名書きなら特に経験がなくてもできそうな印象を受けますよね。5万円なら自分のお小遣いとしても使えますし、家計の足しにもできる金額です。

A子さんが興味を持ってパンフレットを請求してみると、「仕事を始めるには登録料が必要」「慣れてくれば1カ月数十万円の収入も可能」と書かれていました。早速登録料を振り込むと、今度は「教材費として30万円ほど必要」という説明がされ、結局合計で40万円近い金額を支払うに至ったのです。ところが、そんな高額な初期費用を払ったにも関わらず、実際の仕事内容はひどいものでした。宛名を書くという内容は合ってはいますが、先方からリストが送られてくるわけではありません。実際の仕事は、ある商品の販売で、そのための営業用のDMを自分で送り先を探して書くものだったのです。しかも、商品の販売契約がとれなければ報酬は一切発生しません。
そのうえ、DMを送るときに必要なハガキなどはすべて自費で購入する説明もされました。「宛名書き」の内職に応募した人の多くが、同じような手口で40万〜45万円ほどのお金をだまし取られています。なかには、A子さんのように先行投資と考えて払ってしまう人も多かったのでしょう。「元がとれるまで」と考え、実際にDMを書いて送り続けた人もいるかもしれませんね。ただし、宛名書きのすべてが詐欺というわけではなく、なかには本当にハガキや封筒に宛名を書く内職もあります。その場合は、手書きやパソコン入力があり、5〜80円が相場です。仕事の内容は、DMや結婚式の招待状などがあります。

詐欺内職の特徴や見極めるポイントは?

詐欺内職に共通した特徴は、「仕事をする前にお金を支払う必要が出てくる」ということです。先述した「宛名書き」のように、仕事を覚えるためと称した教材費を請求されたときは、詐欺内職を疑う必要があります。登録料を請求してくる場合も同じです。そもそも、内職をするために登録料がかかることはまずありません。例えば、クラウドソーシングのようにオンラインでさまざまな在宅ワークを行うサイトの場合なら登録が必要になります。しかし、多くの場合、アカウント登録は無料で行えるのが一般的です。お金がかかるといっても、実際に報酬が発生したときの手数料などで、通常は口座に振り込む際に差し引かれる形になります。

詐欺内職のもう一つの特徴としては、「高い収入が得られる」といううたい文句が多いことです。たしかに、外で働くよりも収入になる内職もあります。しかし、それはまれなケースです。内職で1カ月あたり数十万円もの収入を得られることはそうそうありません。特に、登録料など何らかのお金が事前にかかるものは、高収入とセットになっているケースが多いのが特徴です。これは、「事前にお金がかかってもすぐに元がとれる」と思わせるのが手口と考えることができます。他にも、仕事にかかる材料費などを負担させられるのも詐欺内職と見ていいでしょう。

なかには、「最初だけ普通に報酬を支払ってくる」という手口の詐欺内職もあります。例えば、有料テストと称して簡単な仕事を依頼し、その報酬を振り込んでくれるといったケースです。テストではなく、初心者向けの簡単な仕事の場合もあるでしょう。いずれにしても、最初に報酬がしっかりと支払われれば、多くの人は信頼できると感じて安心します。ところが、次の仕事を得るための準備として「専用のホームページを用意するための資金」などといった名目で請求されることもあるのです。ホームページの制作費として50万円近いお金を請求された人もいます。

詐欺内職の被害に遭わないために注意したいこと

まず、注意しておきたいのは、内職なのに高収入といううたい文句には簡単に飛びつかないことです。内職の場合、手の込んだ細かい作業でも単価は数円〜数十円程度が相場で、1カ月で数十万も稼げることは非常に難しいでしょう。主婦や本業を持っている人なら、なおさら高収入を得るのは難しい話です。最初に簡単な仕事をさせて、過剰に褒めてくるような業者も要注意といえます。例えば、「あなたは素質があります」といった言葉などで褒めるケースです。

これから内職で稼ぎたいと考えているときに「素質がある」「評判がよい」などと言われれば、高収入を期待してしまうのは当然といえます。筆者も以前内職を検討したとき、同じようなことがありました。しかし、「さらにスキルを磨けば高収入も夢ではない」といった説明とともにスクールの案内をされたときは、流石に疑問を感じたものです。結果的には、お断りして被害に遭うことは免れましたが、乗ってしまうと次々と仕掛けを用意されることもあります。

速やかに被害届を出す!必要に応じて弁護士に相談を!

何か疑問を感じたりおかしいと思ったりしたときは、できるだけ証拠を残しておきましょう。これは、実際に筆者が警察で聞いた話ですが、詐欺の証拠として有効なのは書面だそうです。音声があれば、一緒に残しておくとよいと思いますが、書類を保管しておくことが重要になってきます。また、被害に遭ってしまったときは、すぐに被害届を出すことも重要です。被害届は、最寄りの交番はおすすめしません。必ず警察署へ出向きましょう。被害が大きい場合は、事前に弁護士に相談してから対応することも大切です。

平成・令和で人気なのは?経験者も未経験者も可能な内職を紹介します!

内職 シール貼り

最後に、平成・令和でも人気の内職を紹介していきます。経験者におすすめの内職もあれば、未経験者でも可能な内職もあります。物を作ることが得意で手作業が好きな人なら挑戦してみるといいかもしれません。

洋服の縫製

洋服の縫製は、ブランド服の縫製から洋服直しまで幅があります。経験者かつ業務用ミシンを持っていることが前提ですが、1点あたり数百円〜1,000円以上になることが多く、1日数点仕上げるだけでも、それなりの収入が得られる内職です。例えば、1点1,000円のものを5点仕上げれば、1日5,000円の収入になります。縫製工場などで働いていた経験のある人や、ハンドメイドが好きな人に向いている内職といえるでしょう。ブランド服の場合、展示会用のサンプルを作ることもあるようです。

シール貼り

製品や封筒などにシールを貼る内職で、未経験者でもできます。シールは、文字の訂正箇所を印刷したものや製品のバーコードなどさまざまです。実際には、シールの種類やこなせる数で異なりますが、1カ月5万円程度の収入は見込めるでしょう。基本的には、ほとんど在宅ですが、会社によっては事務所の一角を貸してくれることもあるため、自宅に作業スペースがない人でも可能です。

造花作り

造花作りは、茎や花びらなどバラバラになっているパーツを組み立てて1本の花に仕上げていきます。細かい作業が多いですが、未経験者でも可能な内職です。慣れてくれば、作業が早くなることも見込めますし、コサージュなど込み入ったものも作れるようになります。ただし、造花作りは1本あたり数十円が相場となるため、それなりの収入を得るには数をこなすことが必要です。造花作りは、昭和からある定番の一つで、花が好きな人に向いています。

化粧箱の組み立て

商品を入れる化粧箱を組み立てる仕事で、1カ月1万〜3万円程度の収入が見込めます。具体的には、たたまれた状態で持ち込まれる化粧箱を組み立て、仕上がったものを納品する仕事です。折れたり汚したりしないよう注意は必要ですが、内職が初めての人でも挑戦しやすいでしょう。プラモデルなどを組み立てるのが好きな人に向いている内職です。

製品の袋詰め

できあがった製品をポリ袋などに詰めていく作業で、花火や化粧品サンプルなど内容はさまざまです。花火の場合は、持ち手花火を順番に台紙に貼り、そのうえで袋に入れていきます。扱う製品によって報酬は変わりますが、1カ月で2万〜5万円程度の報酬は見込めるでしょう。袋詰めは、複数の製品を入れていくことが多いので、抜けがないよう注意が必要です。その点を間違えなければ、特に難しい作業ではありません。

チラシなどの封入

封筒の中に、チラシや冊子などを封入する内職です。この作業も、製品の袋詰め同様、中に入れるものに抜けがないよう注意する必要があります。また、チラシは折るところから始めるため、丁寧かつ曲がらないように気をつけなければなりません。コツをつかめば未経験者でも可能で、年齢問わずにできる点が魅力です。基本的には、書類を封入するだけなので、納品までの置き場に困ることも少ないと思います。封入の報酬は、1点あたり5〜8円程度です。

ボールペンの組み立て

パーツがバラバラの状態から1本のボールペンに組み立てていく仕事ですが、パーツごとに分かれて作業する場合もあります。説明された通りに組み立てていけば、特に難しい作業ではないため、初心者でもできる内職です。報酬は、1カ月あたり1万〜3万円といったところでしょう。慣れてきて数がこなせるようになれば、5万円程度になる人もいます。

化学キットなど付録の袋詰め

雑誌などの付録を袋詰めする内職です。化学キットなど子どもが実験で使うようなものもあります。部品のもれがないように注意しなければなりませんが、未経験者でも可能な作業です。報酬は、実際にこなせる数で変わってきますが、1カ月あたり2万5,000円程度にはなります。細かいパーツもあるので、小さな子どものいる家庭では保管場所などに注意したほうがいいでしょう。

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