在宅ワークで起業するメリット・注意点
在宅ワークでの起業には多くのメリットが期待出来ますが、その一方で注意しておきたいポイントもいくつかあります。メリット・注意点はそれぞれ以下の通りです。
メリット1.起業リスクが低い
在宅ワークでの起業は様々な点でリスクを抑えられるという点が大きなメリットです。例えば在宅ワークであれば事務所やオフィスを借りる必要が無いため、月々のランニングコストを抑えられます。また、従来の起業スタイルでは自社でプロモーション活動を展開して仕事の依頼を待つという図式が一般的でした。しかし在宅ワークが一般的になっている現在では個人向けの業務委託契約を行っている企業も多く、募集がかけられている仕事に在宅ワーカーが応募する事も出来ます。仕事にありつくための広告費用がかからないという意味でも、在宅ワークでの起業はリスクが低いのです。
メリット2.時間や場所を問わず働ける
業務内容にもよりますが、在宅ワークは基本的に時間や場所に縛られず働く事が出来ます。出社する必要がないため通勤や帰宅にかかっていた時間を有効活用出来るのです。子育てや家事をこなしながら合間の時間を使って仕事を進めるというスタイルも良いでしょう。ノートPC1つでこなせる仕事であれば、気分転換にカフェや図書館などで業務を進めるという人も少なくありません。
メリット3.働き方に幅が出る
在宅ワークで起業すると個人事業主となるため、自身の働き方にバリエーションが持てるようになります。企業勤めの場合は会社から割り当てられた業務をこなしていくのが基本となりますが、在宅ワークの場合はそういった縛りがありません。自分が身に付けているスキルや知識を活かしたり、やりたい事を優先して仕事をこなしたりと比較的自由なスタイルで働く事が出来ます。在宅ワークは1人で業務を賄っている人も多いですが、同業者や異業種の人たちとチームを組んで仕事を請け負っているというケースも少なくありません。また、事業が軌道に乗ってきたら従業員を雇って本格的に法人化させるという選択肢もあります。
注意点1.営業ノウハウが求められる
自分で仕事を選ぶ事が出来るという点は在宅ワークの大きな利点ですが、それは裏を返せば「自分で仕事を獲ってくる必要がある」という事も出来ます。したがって、在宅ワークでの起業には仕事をこなすためのスキルだけでなく、仕事を獲得するための営業力も必要になる点には十分注意しておきましょう。例えば広告費をかけて在宅ワーカーを募集している企業が多い事は前述しましたが、多数の応募があれば企業側としてもより良い委託先を選別する必要性が出てきます。この時、在宅ワーカーとしては自分の強みや実績をアピールして企業に採用してもらう取り組みが求められるのです。特にクリエイター職として在宅ワークで起業する際はポートフォリオやホームページを作成し、どのようなスキルをどの程度持っているのかをアピール出来るようにしておきましょう。
注意点2.仕事は自分で管理する
在宅ワークでは仕事をチェックしてくれる上司やリーダーが居ないので、自分の仕事は自分で管理していく必要があります。依頼された案件の納期からスケジュールを逆算し、1日あたりどの程度の仕事量が必要になるのかをしっかり把握しておきましょう。また、トラブルがあった際の対応も自分で行わなければなりません。予想されるトラブルについては予め対応策を準備しておき、いざと言う時には迅速に対処出来るようにする事が大切です。
注意点3.モチベーション維持に工夫が必要になる
1人で黙々と仕事をこなすスタイルが好きだという人も多いですが、在宅ワークではモチベーション維持が1つのポイントとなります。在宅ワークは業務を共にする同僚が存在しない事から、気が抜けて中々仕事に身が入らないというケースも珍しくありません。普段過ごしている自宅が仕事場になると緊張感が持ちにくく、人によってはプライベートと仕事のオン・オフが難しくなるのです。解決策としては比較的達成しやすい目標を掲げて達成感を味わえるようにする、セミナーや勉強会を活用して周囲から刺激を得るといった取り組みが知られています。
起業までの流れ
在宅ワークで起業を目指すのであれば、しっかりと事前準備を整えてキレイなスタートダッシュを決めたいところですよね。一般的に在宅ワークでの起業は以下のようなプロセスで行われています。
目的を明確にする
在宅ワーカーとして起業するには、まず起業の目的を明確にしておくようにしましょう。一口に在宅ワークと言っても、具体的な働き方や業務内容は人それぞれです。起業の目的としては例えば「時間を有効に使ってプライベートと両立させたい」「行く行くは今の仕事よりも収入を上げたい」「自分のやりたい事を突き詰めたい」などが挙げられるでしょう。目的を明確にしておく事で仕事選びやワークスタイルの方針が定まってくるため、起業後に「こんなはずではなかった」といったようなギャップに苦しむリスクを抑えられます。
仕事を決める
目的が定まったところで、今度は具体的にどんな仕事で生計を立てていくかを検討してみてください。今まで会社に勤めていたのであれば、その経験や培ってきたノウハウを活かすのも良いでしょう。在宅ワークでの起業はインターネットを活用したものが一般的ですが、趣味教室やサロンなど仕事によっては自宅を店舗として使用する事もあります。
資金を用意して環境を揃える
在宅ワークでの起業は初期費用が比較的安く抑えられる点がメリットですが、必要な備品については買い足しておくのが良いでしょう。例えばPC作業が多くなるようであれば業務内容に応じたスペックのマシンを用意したり、デスクやイス周りを充実させておくと快適に仕事をこなせるようになります。在宅ワークは同じ姿勢が長時間継続しがちなので、イスに関しては多少コストをかけてでも良いもの(自分の体にマッチするもの)を用意するのがおすすめです。自宅のインターネット回線の速度が遅い場合は、光ファイバーなどを用いた高速回線業者への乗り換えを検討しましょう。
開業届を出す
自宅に仕事の環境が整ったら、所轄の税務署に開業届を提出します。一般的に開業届と呼ばれている書類の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届書」と言うので覚えておきましょう。書類は国税庁のホームページからダウンロードする事が出来ます。開業届を提出して個人事業主と認められると、所定の条件下で最大65万円分の控除が受けられる青色確定申告が可能です。また、屋号で銀行口座を開設出来るようになるので収支を管理しやすくなります。開業届の提出は職業の証明にもなるため、社会的信用の向上にも効果的です。開業届は原則として開業日から1ヶ月以内とされています。2022年3月時点では提出の遅延による罰則はありませんが、なるべく早めに提出するようにしましょう。
在宅ワークで起業する際におすすめな仕事
在宅ワークとして行える業務は多様化しており、自分のやりたい事やスキルにマッチした仕事を見つける事は難しくありません。以下では在宅ワークとして比較的人気の高いものを紹介します。
Webライター
Web上で公開されているようなコラム記事やブログの執筆は、個人で活動しているWebライターに委託されているケースも珍しくありません。より良い文章を書き上げるにはそれなりの慣れが必要ですが、特殊なスキルや技能が求められないためWebライターは在宅ワーカーの仕事として人気が高いです。また、近年はクラウドソーシングサービスが隆盛している事から個人でも仕事を獲得しやすくなっているというのもポイントです。
ネットショップ
特殊なスキルを必要としない在宅ワークとしては、ネットショップの運営という仕事も代表的です。ネットショップは「自分が作ったものを販売する」「仕入れたものを販売する」「自作・仕入れ両方の商品を販売する」という3パターンに大別されます。クリエイティブなスキルがあるのであれば自作するのも良いですし、ファッションやホビーなど特定ジャンルに造詣が深いのであれば仕入れたものを販売するのがベターです。実店舗を構える必要がないためコストは安めになりますが、自作の場合の材料費や仕入れ費用が必要になる点には注意しましょう。
デザイナー・イラストレーター
デザイン会社に勤めていた経験がある人は、デザイナーとして独立するケースも珍しくありません。クライアントとコミュニケーションさえ取れれば自宅で作業を完結させやすい職種であるため、在宅ワークとして人気があるのです。また、企業ロゴやイラストを作成するイラストレーターも在宅ワーカーが増えています。自作のイラストを手軽に販売したり、個人からも案件を募集したり出来るサイトも多いので活躍の場が広がっています。
プログラマー
IT化が進んでいる現代の日本では、その担い手であるプログラマーの人材不足が問題視されています。そのため、企業は会社勤めのエンジニアだけでなく在宅ワーカーの力も借りてシステムやアプリの開発・運用を行っているのです。引く手数多と言える状況が続いているため、プログラミングスキルさえあれば仕事に困る事はあまりないでしょう。現時点でスキルや知識がなくても、プログラミングの学習を進めて力を蓄えてから起業するというのも1つの選択肢です。
動画編集
動画投稿サイトや広告動画など、今や動画コンテンツは個人・法人を問わず魅力的なビジネスチャンスになっています。再生数を伸ばして広告収入を得る、または効果的なプロモーション活動を展開するには優秀な動画編集者の存在が欠かせないと言えるでしょう。動画編集の仕事は素材さえ揃っていれば在宅で完結させる事が出来ます。自作した動画をいくつかまとめてポートフォリオを作成し、動画作成を希望する個人や法人からの注目を集められるようにしましょう。もしくは自身で動画コンテンツを作成し、動画サイトへの投稿で収益化を狙うというアプローチも可能です。