採用側は転職・職歴が多い人をネガティブにとらえがち?プラスに変えるにはこちらの対応がカギを握る
転職や職歴の多さが次の仕事探しでメリットにつながるか、それともデメリットとなるかはケースバイケースと言えます。カギを握るのは、相手方である企業がこちらの状況をどうとらえるかでしょう。採用側である企業が転職・職歴が多い人をどう見ているか知っておくと、自分の望む企業や仕事に転職しやすくなるかもしれません。残念ですが、採用企業側は転職・職歴が多い人をネガティブなイメージでとらえがちです。ここでは、企業側が持っている主な考えや背後にある理由をピックアップします。企業側の懸念点を踏まえた対策も併せて記載しますので、転職・職歴の多さをプラスに変えて、満足いく仕事探しを成し遂げましょう。
#採用してもすぐに転職してしまうのではないか
採用してもすぐに辞められてしまうと、企業にとっては痛手です。多くの業界で人手不足は深刻で、採用にかかる経費は増加傾向にあります。また、せっかく教育して一人前になったと思ったところで転職されてしまうと、教育にかけた人的・金銭的コストが水の泡になってしまいます。こういった理由から、採用側企業は転職・職歴が多い人をリスクと考える可能性があるため、「安易に転職を繰り返しているわけではなく筋の通った理由がある」ということを示して、採用側の疑念を払しょくする必要があるでしょう。
#人間的に問題がある?
転職・職歴が多い人は協調性がない、適応能力に欠けるなど、人間性に問題があると誤解する採用担当者もいます。実際、退職・転職理由に人間関係を挙げる人も多いため、「せっかく採用しても職場でうまくやっていけないのではないか?」という心配が採用企業側に生まれるのも当然でしょう。転職や職歴が多い人は、仕事先やキャリアを変える理由がネガティブなものではなく、ポジティブなものであることを丁寧に説明すると良いかもしれません。
#計画性がない人
職歴欄の記載の多さを見て、自分のキャリアを真剣に考えていないのではないかと疑問に思う採用担当者もいます。どのような仕事であっても計画的に行なうことは重要です。行き当たりばったりで会社や仕事を変えてきた人に不安を覚える企業側の気持ちも理解できます。ですが、転職や職歴の多さは、必ずしも計画性の欠如に結び付きません。どうして会社やキャリアを変更しようと思ったのか、自分が目指してきた方向性を明確に示すことができれば、誤解は解けるでしょう。
#経験やスキルが身についていないのではないか
「短いスパンで転職や職歴変更を繰り返す人は、年齢に応じた経験やスキルが欠けているのではないか?」と不安視する採用担当者や現場責任者は一定数います。保有しているスキルがバラバラな場合は、特にそう感じるかもしれません。しかし、各企業での在籍期間が短い方は、コミュニケーションスキルに長けているからこそ、いろいろな企業で適応してきたといえます。また、職歴を頻繁に変更してきた方は、いろいろな仕事を経験して得られた応用力や問題解決能力などをアドバンテージにできます。
#企業側のネガティブな意識を打開して転職を成功させるポイント
転職や職歴が多い方は、応募先の企業風土や募集要項の理解に努め、ポイントを絞ってアピールすることをおすすめします。企業によって求める人材は異なり、ニーズも多種多様です。求人票や企業のホームページなどから、募集業種に必要とされる資質や求められている人物像を読み解き、それに資する点を経験してきた仕事から語れるようにしましょう。また、転職回数の多さや頻繁な職歴変更を人や環境のせいにしない姿勢も大事です。多くの企業が期待するのは、前向きに問題に取り組める人、主体的に行動できる人です。仮にうまくいかないことがあっても、前進し続ける人を企業は求めています。
転職・職歴が多い人がやりがちな間違いの一つが、職歴のごまかしです。転職に不利になることを恐れて転職回数を少なく見せかけたり、短い在職期間のものを記載しないといったことはメリットではなくデメリットになりえます。社会保険や雇用保険、源泉徴収票などの履歴から、入社後にごまかしが発覚した場合、信用を失いますし、それまで高かった評価が一変して会社に居づらくなる可能性があるからです。各々の会社や仕事で力を入れてきたこと、頑張ってきたことは必ずあるはずです。それらの効果的なアピールに力を注ぎ、転職を成功させましょう。
転職・職歴が多い人は給料面でメリットになる?デメリットになる?
転職・職歴が多い人の年収は、転職時の条件によって前職より増えることもあれば減る可能性もあります。例えば、異業種からの転職の場合、どの業界でも通用する経験やスキルを持っている人は評価が高くなる傾向があり、年収アップが見込めます。一方、完全に未経験の仕事に就く場合は、自分が思い描くような給料を得られないかもしれません。学ばせてもらうという姿勢で取り組み、これまで得てきた多彩な経験や持ち前の柔軟性を活かしていくと、おのずと評価や給与アップにつながると考えられます。
なお、年収に関しては、転職や職歴が多い人と少ない人ではアップする確率に差が見られます。転職サービスを展開するdodaが公表した情報によると、初めて転職する人が年収アップを達成できる割合は5割を超えますが、転職を1回経験した方は26%、転職2回経験者は13%と、転職回数が増えるにしたがって前職を上回る確率が落ちてくるようです。もちろん、これは転職時の年齢や職種、就業地域などで左右されるため、一概に転職回数が多いと不利・デメリットになると言うわけではありません。給料面で高望みせず、自身に最も合った仕事や職場を探す意識で転職に臨むと満足いく結果になることでしょう。
転職・職歴の多さがキャリアアップにつながる人・つながらない人
転職や職歴を重ねるごとに成長を遂げている人がいる一方、転職・職歴の多さがデメリットになっている人もいます。何がその違いを生むのでしょうか。ここでは、転職や職歴の多さがキャリアアップにつながっている人の特徴を取り上げます。多様な経験を自身のパワーアップにつなげたいという方はもちろんのこと、転職・職歴を重ねても思うような結果が出ていない、キャリアアップを達成できていないという方は、以下の点を参考にして改善に役立ててください。
#明確な目標設定をし、目標をクリアする意識
仕事でも私生活でも共通することですが、目標を持つかどうかで出せる結果は異なるものです。ゴールをクリアしたなら、次のゴールを設定し達成することを積み重ねていくと、目標設定しなかった人に比べて多くの物事を成し遂げられます。実際に目標を達成しているので、自身のキャリアを語る際に確信が増し、聞く人を納得させるアピールができることでしょう。自信に満ちた語り口は、転職・職歴の多さから生じる採用側の心配を払しょくしてくれるに違いありません。逆に、なんとなく転職を繰り返してきた人や職歴に一貫性がない方は、理想とするキャリアアップに結び付かない可能性があります。
#PDCAを意識して仕事をしている
仕事をするうえで、PDCAつまり計画、実行、評価、改善を意識している人は少なくないかもしれません。それを自分のキャリアに当てはめると、成長に結びつきます。成長は自信につながり、他者からの評価も高くなるはずです。上司や同僚から安心して仕事を任せてもらえるため、他社でも活かせるキャリアを積む機会を開けるでしょう。
#自分を甘やかさない姿勢
転職を重ねてキャリアアップできる人は、仕事において自分を甘やかさない人です。振られた仕事をそのまま行う、あるいは中途半端に取り組んでいるようでは、キャリアアップにつながりません。全力投球で納得いく仕事をするように努めると業務の理解度や習熟度が高まり、キャリアアップにつながります。これまでの職歴や成功例にあぐらをかくことなく、真摯に努力する姿勢が高評価に結びついていきます。
#周囲の助けを借りる
転職・職歴が多くても、他者の助けを上手に活用している人はキャリアアップを成し遂げているようです。仕事は誰かの役に立つものなので、周囲の人を巻き込み、よりよい方法を模索することで成果は上がっていきます。一人で悩んでいても、解決の糸口や選択肢は広がらず、成長に繋がりません。仕事上の心配や悩みを上司や同僚と共有し、アドバイスを受け入れると周囲が納得する結果を出せるはずです。
転職・職歴の多さは在宅ワークを行う上でメリットになる可能性あり
転職・職歴変更を繰り返してきた方の中には、結婚や出産などのライフステージの大きな変化を経験してきた方もいるかもしれません。家事や子育て、介護などがあり、在宅ワークを希望している方も少なくないと考えられます。では、転職・職歴の多さは在宅ワークを行う上で有利に働くのでしょうか。在宅ワークに向いている人の特徴を取り上げながら考えてみましょう。
#自発的に行動できる人
在宅ワークは、日々の仕事を自分で管理しながら行う必要があります。計画性や自己管理能力が問われる働き方と言えるでしょう。転職・職歴が多くても、5年先、10年先のキャリアアップを目指してきた人は、物事を計画して成し遂げた経験があり、自らを律する力を持っています。在宅ワークを行う資質を十分身に付けていると考えられます。
#他者に頼らずにモチベーションを維持できる人
1人で作業することがメインとなる在宅ワークでは、モチベーションの維持が課題になります。在宅ワークは、孤独を力に変えられる人や一人の方が集中できる人に向いている働き方です。転職や職歴が多い人は、自分の行くべき道を考えて能動的に行動し、環境の変化にも負けず、モチベーションを維持してきた人と言えます。在宅ワークにありがちな孤独感などを克服できるに違いありません。
#自分を上手にアピールできる人
在宅ワークは、出社する場合に比べて一人一人の成果がわかりにくいと言われます。数字で表せる成果は別として、ヒューマンスキルの部分は実際に顔をあわせていないため評価が難しいようです。転職や職歴が多い人は、自分の良さや成果をアピールする機会が多かったはずです。在宅ワークにはクラウドソーシングなど個人で請け負う仕事も多くありますが、自分のスキルや経験を論理的かつ効果的にアピールできる人であれば、安定して仕事が得られるでしょう。
#問題解決能力が高い人
在宅ワークでは仕事中のトラブルを自身で解決する力が求められます。転職・職歴を重ね、いろいろな局面に遭遇して経験値を積んできた方は物事への対応能力が高く、その点は在宅ワークに有利に働くかもしれません。