• 個人事業主と正社員の違いは?メリット・デメリットについて詳しく解説
公開:2024/07/28  更新:2024/07/26

個人事業主と正社員の違いは?メリット・デメリットについて詳しく解説

「個人事業主と正社員の違いについて知りたい」
「個人事業主として働くメリット・デメリットがわからない」
当記事は、このような悩みを持つ方に向けて書いています。
自由な働き方が広がっている現代では、正社員だけでなく個人事業主として仕事をしている方も多いです。

個人事業主とは

個人事業主とは

個人事業主とは、企業に勤めず個人で事業を行っている方を指します。
しかし、個人事業主と正社員の違いがよくわからない方も少なくはないでしょう。
当記事では、個人事業主と正社員の違いやメリット・デメリットについて詳しく解説します。
記事後半では個人事業主を始めるときの手続きや補助金・助成金についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

個人事業主と正社員の違い

違いは?

個人事業主と正社員は、それぞれ以下のような違いがあります。

働き方
報酬面
社会保障
税金

それでは詳しく説明します。

働き方

まず働き方として、個人事業主は自身で事業を行っていますが、正社員は勤めている企業の方針や指示にしたがって仕事をしています。
個人事業主の場合、どのような事業を始めるのかは自身で自由に決められます。
基本的にはこれまでの経験や知識を活用できる事業を始めることが多く、徐々に基盤を固めていく流れです。
一方正社員は会社から決められた仕事を行うため、個人事業主に比べて自由度は低いです。
また、勤務時間も決められているので、退勤時間までは会社で働かなくてはいけません。
そのため働き方の自由度は、個人事業主のほうが高いといえるでしょう。

報酬面

報酬面について、個人事業主は働いた分だけの収入を得られますが、正社員は企業から決められた給料を支払ってもらいます。
個人事業主は自身で対応した業務の対価として報酬を受け取るため、利益がそのまま手元に残ります。
業種によっては光熱費や電気代などの経費が発生するので、差し引いた金額が主な収入です。
正社員は役職やポジションによって固定された報酬を受け取るため、大きな変動はありません。
ただし、企業にはボーナス制度があり、年2回収入がアップする点がメリットです。
働き方によって収入を増やしたいなら個人事業主、安定した収入を得たいなら正社員が良いでしょう。

社会保障

正社員は厚生年金や健康保険などの社会保障が用意されていますが、個人事業主は雇用保険に加入できません。
正社員であれば将来的に受け取れる金額や万が一の事故・病気を保証してくれるため、安心して仕事を続けられます。
一方個人事業主が加入できるのは国民年金だけなので、正社員に比べて将来受け取れる年金は少ないです。
また、事故や病気になったときは、自身で全て負担しなければなりません。
社会保障を重視するなら、個人事業主よりも正社員としての働き方を選択することをおすすめします。

税金

税金について、個人事業主は自身で手続きをしなければいけませんが、正社員は企業側が全て対応してくれます。
個人事業主は年間の収入を計算し、確定申告によって納める必要があります。
ただし、収入を得るために発生した経費を差し引けるため、税金の負担額を軽減可能です。
正社員は税金手続きをする必要がありませんが、所得税や健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などが引かれるので手取りが少なくなってしまいます。
税金の手間を考えるなら正社員が良いですが、個人事業主であっても経理を雇えば負担を抑えられます。

年収

個人事業主と正社員は、年収にも大きな違いがあります。
同じ収入を得たとしても、それぞれ社会保障や税金が差し引かれると受け取れる金額は変動します。
例えば400万円の年収を得た場合、個人事業主は青色申告承認申請書を提出すると手取りは約320万円です。
正社員の場合、住民税や所得税、社会保険料などが差し引かれるので約310万円になります。
このように受け取れる年収も異なるため、何を重視するのかによって働き方を決める必要があるでしょう。

個人事業主になる4つのメリット

個人事業主のメリット

個人事業主になることで、以下のような4つのメリットがあります。

1,開業のハードルが低い
2,自由度の高い仕事を始められる
3,事業拠点を自由に決められる
4,働き方次第で収入を増やせる

それでは順番に解説します。

1.開業のハードルが低い

個人事業主は開業届を提出すれば始められるため、開業のハードルが低いです。
法人は設立のために準備を必要としますが、個人事業主は誰でも簡単に始められます。
すでに始めたい事業があるのであれば、すぐにスタートできる点は大きなメリットといえるでしょう。

2.自由度の高い仕事を始められる

個人事業主は自身が好きな仕事を始められるため、正社員のように決められた業務をこなす必要はありません。
働く時間も自由に調整できるので、予定に合わせてスケジュールを考えられます。
例えば午前中は用事をして、午後から仕事を始めるといった働き方も可能です。
もちろん仕事を始めるには経験や知識を必要としますが、自由度の高い点はメリットの1つといえます。

3.事業拠点を自由に決められる

個人事業主は法人のように店舗を用意する必要がないため、事業拠点を自由に決められます。
自宅やビジネスオフィスを事業拠点にしている方も多く、働く環境を気軽に決定できます。
例えばIT系の事業を始める場合、パソコンがあれば自宅でも仕事を進めることが可能です。
正社員のように会社へ出社する手間もないので、自由度が高い働き方となっています。
そのため事業拠点を自由に決められる点は、個人事業主として働くメリットといえるでしょう。

4.働き方次第で収入を増やせる

個人事業主は働き方次第で収入を増やせるため、始める事業によっては安定した働き方ができます。
正社員は勤めている企業から決められた給料を受け取るので、インセンティブなどの制度がなければ変動が少ないです。
個人事業主は働くなかで仕事の質を高められるため、効率良く稼働すれば収入を徐々に増やせます。
そのため正社員の給料では満足できない方にとって、個人事業主の働き方はメリットに感じるでしょう。

個人事業主になる3つのデメリット

個人事業主になることで、以下のような3つのデメリットもあります。

1,収入が不安定になりやすい
2,社会的信用が低い
3,社会保険料の負担が大きい

良い点ばかりに注目せず、悪い点についても理解を深めておきましょう。

1.収入が不安定になりやすい

個人事業主は自身で事業を始めるため、営業や業務、経理まで全て対応しなければいけません。
はじめは作業の多さからうまく仕事が回らず、収入が不安定になりやすいです。
正社員であれば会社から決められた給料を支払ってもらえるだけでなく、ボーナスもあるので安定した環境で働けます。
働き方によっては収入が不安定になる点は、個人事業主のデメリットといえるでしょう

2.社会的信用が低い

個人事業主は正社員に比べて社会的信用が低いため、クレジットカードの作成やローンの組み立てが難しいです。
理由として、安定した収入を見込める保証を証明しづらいからです。
正社員は会社から定期収入があるので、カード会社からも信用を得られます。
個人事業主になってからクレジットカードが必要になることもあるので、手元になければ社員として働いているうちに作成することをおすすめします。

3.社会保険料の負担が大きい

正社員は会社が社会保険料を半額で負担してくれますが、個人事業主は自身で全額支払わなくてはいけません。
もし事故や病気になったときは自身で負担する必要があるため、貯金を切り崩す必要があります。
また、働けないときは収入がストップするので、貯金がなければ生活が厳しくなるリスクも存在します。
民間の医療保険に加入すれば負担額を軽減できるため、万が一に備えておくことは大切です。
そのため社会保険料の負担が大きい点は、個人事業主の大きなデメリットといえるでしょう。

個人事業主を始めるときの手続き

結論から言うと、個人事業主を始めるには税務署に開業届を出せば完了です。
基本的に開業から1ヶ月以内の提出が義務付けられているため、早めに対応しなければいけません。
また、確定申告に備えて青色申告を選択するときは、青色申告承認申請書の用意が必要です。
青色申告書の申告は3月15日までとなっているので、開業届と合わせての提出がおすすめです。
また、売上高が1,000万円を超える場合は消費税を納税しなければいけないため、納税要件をチェックしてください。
正社員から個人事業主として独立する場合、国民年金や国民健康保険の加入手続きも行うようにしておきましょう。

個人事業主が申請できる補助金・助成金

個人事業主が申請できる補助金や助成金として、以下のようなものがあります。

小規模事業者持続化補助金
ものづくり補助金
雇用調整助成金

事業をはじめたばかりの頃は利益を安定させづらいため、補助金や助成金をうまく活用することが大切です。
それでは詳細について詳しく説明します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する補助金です。
個人事業主として事業を始めたばかりの方は対象となるため、補助金を申請可能です。
ただし、補助金の申請には複数の書類を用意して公募要領を満たす必要があるので、公式ページから詳細をチェックしておきましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が取り組む革新的サービスの開発や生産プロセスの改善を支援する補助金です。
新たな取り組みを始めるために活用できるため、個人事業主でも補助金を申請可能です。
小規模事業者持続化補助金と同じく、申請には公募要領を満たす必要があります。
ものづくり補助金はインターネットを利用した電子申請となっているので、公式ページから詳細をチェックしておきましょう。

雇用調整助成金

雇用調整助成金は、経済上の理由から事業活動の縮小によって事業主が雇用を維持できないときに支援する助成金です。
個人事業主のなかには従業員を雇用している方もいるため、雇用を維持するための費用を補助するものとなっています。
支給条件として、直近3か月の平均売上高が前年同時期と比較して10%以上減少していることが申請条件となります。
詳しい内容については、公式ページから詳細をチェックしてください。

まとめ

今回は、個人事業主と正社員の違いやメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
個人事業主と正社員の働き方は、どちらが良いというわけではなくメリットとデメリットがそれぞれ存在します。
人によって選択すべき働き方は異なるため、何を重視するかによって最終的な決定をすると良いでしょう。
あなたにとってベストな働き方を考え、自分の目標に向かって活動を進めるようにしましょう。

記事作成担当者:Tsubasa
経歴:ITベンチャー企業にてポータルサイト運営•ライターの経験を経て、フリーランスWebライターとして活動中

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