• 在宅ワークでも保育園に入るための方法5選!入園しやすくなる「点数」の上げ方とは
公開:2022/03/21  更新:2022/03/17

在宅ワークでも保育園に入るための方法5選!入園しやすくなる「点数」の上げ方とは

在宅ワークで仕事をしている場合、「自宅で子どもを世話できるから認可保育園には入れない」と考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、認可保育園への入園は主に「点数」によって決まるため、工夫次第では入園できる可能性もあります。今回は、認可保育園の入園に大きく影響する「点数」の基礎知識を踏まえ、在宅ワークでも子どもを保育園に入れるための具体的な方法を5つチェックしていきましょう。

認可保育園の入園で重視される「点数」とは?

保育園

子どもを保育園に入れるため、あれこれ調べていると、「点数」という言葉を耳にすることがあります。認可保育園への入園は、基本的に各自治体が定める点数の高い順で決まるため、点数について詳しく知っておくことが必要です。保育園に入るための方法を知る前に、まずは点数の基礎知識を押さえておきましょう。

そもそも「認可保育園」とは?

保育園とひと口にいっても、正確には「認可保育園」と「認可外(無認可)保育園」の2種類に大別できます。

認可保育園

厚生労働省が管轄し、広さや設備など運営面において国が定めた厳しい基準をクリアした保育施設です。国や自治体から補助金が出るため割安な保育料が設定されており、経済的な負担が軽くて済みます。

認可外(無認可)保育園

国が定めた基準をクリアしておらず、独自に運営している保育施設です。認可外といっても違法なわけではありません。なかには、認可保育園以上の手厚いサービスや教育を施しているところもあります。運営者によって保育や運営の方針はさまざまであり、特色がある分保育料が認可保育園より割高になるケースが多い傾向です。

入園審査で重視される「点数」とは?

上述した通り、保育園は認可と認可外の2種類があります。しかし、一般的には保育料が安い認可保育園の人気が高い傾向です。自治体によっては、毎年募集定員に対して入園希望者が多すぎる傾向にあり、その場合は希望者を審査して誰を入園させるか選ばなければなりません。このとき、審査に利用されるのが「点数」です。点数は、入園を希望する世帯がどの程度保育を必要としているかを数値で表すもので、点数が高いほど認可保育園に入園できる可能性が高まります。点数の内容は各自治体で異なるので、検討している保育園のある自治体のホームページで確認しましょう。
なお、点数には「基本指数」と「調整指数」の2種類があります。

基本指数

家庭で子どもを保育できない根本的な理由を点数化したものです。例えば、仕事で保育できないなら働く時間の長さ、病気で保育できないなら症状の重さなどが点数に影響します。

調整指数

各家庭の状況に応じ、基本指数に加点・減点するものです。例えば、「兄弟姉妹がすでにその園に通っていれば+5点」「園がある市区町村外に住んでいる場合は-10点」など、内容ごとに細かい点数が設定されています。基本指数と調整指数の合計点が高い人ほど保育の必要性があると見なされ、認可保育園へ入園しやすくなるのが基本的な仕組みです。

点数の計算方法

認可保育園の入園は、点数の高い順になることが多いため、まずは自分たちがどの程度の点数なのか確認することが大切です。詳しい計算方法は、自治体ごとに変わりますが、一般的に父親・母親それぞれの基本指数を出して合計し、そこに調整指数を加点・減点していきます。例えば、フルタイムで働いていた場合の点数が50点の場合、共働き世帯なら基本指数は50点+50点=100点です。どちらかだけフルタイムで働き、もう一人は専業主婦(主夫)であれば、基本指数は50点のみとなるでしょう。

複数の世帯で基本指数に調整指数を加えた合計点が同じになった場合は、「優先順位」に従って判断されます。所得の低い家庭が優先、長年その地域に住んでいる世帯が優先など、優先順位の内容も各自治体で異なるので確認しましょう。なお、自治体の中には入園に必要な最低点数を公開しているところもあります。あくまでも目安ではありますが、最低点数がわかれば自分たちの世帯が入園できそうか、もっと点数を稼がないと無理そうかなどがわかるので、一度調べてみると良いでしょう。

在宅ワークは認可保育園に入園できない?

認可保育園イメージ

基本的に、働き方や仕事の内容を理由として認可保育園への入園を断られることはありません。なぜなら、保育園は家庭で世話をするのが難しい子どもの受け皿となる場所で、仕事の内容で区別されるものではないからです。しかし、上述したように認可保育園は点数の高い順に入園するのが基本となるため、希望したからといって誰でも入れるわけではありません。どの自治体でも会社勤めで勤務時間が長いほど高い点数がもらえるケースが多く、在宅ワークの場合、どうしても点数が低くなる傾向のため、実質的に入園は難しくなっていました。

ところが、近年は働き方改革や新型コロナウイルスの影響もあり、在宅勤務をする人や在宅ワーク求人数が急増しています。自宅で子どもの世話をしながら働くことの難しさが理解されるようになった結果、働く場所による格差をなくすべく取り組みを行う自治体も増えました。これまでと比べれば、在宅ワークでも認可保育園に入れる可能性は高くなったといえるでしょう。もちろん、点数が高い順に入園が決まる仕組みは変わらないので、在宅ワークをしながら、いかに点数を稼ぐかが重要なポイントとなります。まずは、入園したい認可保育園がある自治体で点数の基準などを調べ、加点できそうな要素があれば積極的に行動してみましょう。

なお、点数が関係するのは、あくまでも認可保育園に入園したい場合です。一般的な認可外保育園なら、定員に空きさえあればすぐに入園できるでしょう。入園面接などで条件を課すところもありますが、悩んだり時間をかけたりせずスムーズに入園しやすいため、こだわりがなければ認可外保育園を検討することも方法の一つです。近年は、少子化対策で幼児教育・保育の無償化も進んでおり、条件を満たせば認可外保育園などを一定額まで無償で利用できる場合もあります。思ったより費用をかけずに預けられる可能性もあるので、選択肢に含めてみるのもおすすめです。

在宅ワークでも認可保育園に入りやすくなる方法6選

たとえ、在宅ワークでも点数さえ高ければ、当然認可保育園に入園できる可能性はあります。ただ、一気に点数を上げたいからといって、必要がないのに離婚や生活保護の受給を選ぶのはおすすめできません。ここでは、加点されやすい方法を6つ紹介するので、まずはそれを実践してみましょう。

保育園に入園する為のスコア

「就労状況申告書」「開業届」を提出する

在宅ワークの場合、「自宅にいるなら自分で子どもの世話ができる」と見なされがちです。在宅でもれっきとした仕事をしており、子どもの世話が難しいことを証明するためにも、「就労状況申告書」や「開業届」を提出しましょう。就労状況申告書は、企業に勤める人が提出する就労証明書のようなもので、在宅ワークの場合は自分で作成します。各自治体のホームページにひな型が公開されているので、印刷・記入して認可保育園に提出しましょう。

就労状況申告書は、自分で作成できるので手軽ですが、それゆえ証明書としてあまり重視してもらえない可能性もあります。就労状況申告書だけで不安な場合は、開業届を提出しましょう。開業届は、個人事業主として仕事を始める際に税務署へ提出する書類です。一般的には、在宅ワークも含め仕事を始めてから1カ月以内に提出することになっています。提出しなくても罰則はありませんが、以下のような点はメリットです。

・確定申告の際に節税効果が高い青色申告が可能になる
・廃業時に給付金を受け取れる小規模企業共済に加入できる
・屋号付きの銀行口座が開設できるなど

1カ月を超えていた場合でも、メリットを享受したい場合は、この機に提出しておくと良いでしょう。開業届を提出すれば、公的に自営業者と見なされ、仕事をしている信ぴょう性が高まります。また、自営業者の就労時間は自己申告できるため、長時間働いてフルタイムと同じ点数を稼ぐことも可能です。

認可外保育園・ベビーシッターを利用する

多くの自治体では、認可保育園の入園前に託児実績があると調整指数で加点されるケースが一般的です。実際に、子どもを預けなければ仕事ができない状況だと判断されるため、点数が加点されます。認可外保育園や、ベビーシッターサービスなど利用しやすいところを探してしばらく預け、託児実績を作りましょう。この場合、認可保育園に申し込む際に、認可外保育園などを利用したことを証明する「受託証明書」の提出が必要です。自治体のホームページで受託証明書のひな型が公開されているので、印刷して利用した認可外保育園などに記入を依頼しましょう。

なお、託児実績の細かい加点内容は各自治体で異なります。一時預かりでも加点対象になる自治体もあれば、1年間継続して預けなければ加点対象にならない自治体などさまざまです。そのため、利用前に自治体のホームページなどで調べてみましょう。また、認可外保育園などの託児サービスは、認可保育園と比べて料金が割高です。利用頻度や期間によっては、かなりの出費が必要になるため、計画的に利用しましょう。さらに、認可保育園への入園が認められた場合、子どもが転園しなければならない点にも注意が必要です。慣れてきたころにお友だちや先生と別れることは子どもに大きなストレスを与える可能性もあるので、十分に配慮してあげましょう。

在宅ワークでも入園しやすい認可保育園を選ぶ

認可保育園の点数の基準は、自治地ごとに大きく異なります。なかには、託児実績の加点が大きかったり、在宅ワークでも会社勤めと同程度の基本指数が設定されていたりするなど、在宅ワークでも点数が稼ぎやすい自治体などさまざまです。認可保育園は、基本的に自分たちが住んでいる地域の園に通うため、条件が厳しい自治体に住んでいるといつまで経っても入園できない可能性があります。条件の良い自治体の認可保育園に入園したくても、住所と保育園の管轄エリアが異なっていると入園できなかったり、調整指数で大幅な減点対象になったりする可能性が高いです。

例えば、在宅ワークに優しい条件の自治体や、競争率の低い自治体に引っ越すという方法もあります。認可保育園の申込状況や、在宅ワークでも入りやすいかどうかといった情報を教えてくれる自治体もあるので、一度問い合わせてみると良いでしょう。

労働時間を増やす

点数で大きな割合を示す基本指数は、労働時間が多いほど点数が高くなります。例えば、福岡県福岡市の保育施設等利用調整基準表によると、居宅内労働では1カ月の勤務が160時間以上の労働の場合は120点です。しかし、100時間以上120時間未満の労働だと90点しかありません。純粋に働く時間を伸ばせば高い点数を稼げるため、家事や育児とのバランスを図りつつ、できるだけたくさん働きましょう。企業に雇用されず個人で在宅ワークを行う場合、労働基準法は適用されないため労働時間に上限はありません。労働時間も基本的に自己申告なので、一番点数が高くなる時間を申請しましょう。

ただし、点数を高くしたいからといってウソをついてはいけません。仮に、1カ月に160時間以上の労働をしていると申請したのであれば、週5日、1日あたり8時間はしっかりと働くようにしましょう。「自己申告だからどうせウソをついてもバレない」と思う人もいるかもしれませんが、ウソはどこでいつ発覚するかわかりません。子どもやママ友がポロっと保育園の先生に話したり、確定申告の所得がどう考えても労働時間と見合っていなかったりするなど、思わぬところから保育園に知られる可能性もあります。ウソが発覚すれば、入園を取り消される恐れもあるため、きちんと申告した通りに働くか、本来の労働時間を申告するようにしましょう。

祖父母と同居しない

保育園は、そもそも自宅で子どもの世話ができない場合に利用するものです。そのため、自宅で祖父母が一緒に暮らしていたり、ごく近所に住んでいたりすると、子どもを世話できる人がいると見なされて調整指数が減点されることがあります。自治体によっては、大きな減点になる場合もあるので、少しでも点数を稼ぎたいなら祖父母との同居解消も検討しましょう。ただし、祖父母が高齢だったり健康面で問題があったりする場合は減点にならないこともあるため、同居を解消する前に自治体に問い合わせてみてください。

医師の診断書を提出する

両親の健康面に不安がある場合は、医師に診断書を書いてもらい、保育園に提出する方法も効果的です。先述した福岡市の場合であれば、通院・加療が必要で保育が難しい場合は90点、精神疾患で保育困難な場合は130点の基本指数となります。診断書に「保育ができない」と明記してもらう必要がありますが、認められれば大きなポイントになるでしょう。なかには、腰痛や腱鞘(けんしょう)炎などでも対象になる自治体があるので、診断書がとれるか、どの程度の点数になるのか調べてみてください。

ただし、このような場合は半年に一度など、頻繁に医師の診断書を提出しなければならないことが多い傾向です。症状が治まると、その時点で退園を求められる可能性もあるので注意しましょう。

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